- こんなあなたに
- KVK社製「シャワー付湯水混合水栓」から湯水がでなくなった
- シャワーが使えなくて困る
- シャワーを早く修理したい
シャワーの蛇口からお湯が出なくなった。チョー困りますよね。
この記事では、KVK社シャワー付湯水混合水栓から湯水が出なくなる故障の修理方法をまとめました。自分で修理するには、次の条件を揃える必要があります。
- 工具が揃っていること
- 修理部品を粘り強く調べ続けられること
- 修理部品を確定できなくても一か八か購入してみる勇気があること
- 水栓の固定ナット(少々固め)を緩める腕力があること
男性であれば一人でも修理できると思いますが、女性には少し難しいかもしれません。一人での修理が難しい場合には、プロにお任せすることも検討してもよいでしょう。状況に応じて「どうやって修理しようか」と考える参考になれば幸いです。
KVK社シャワー付湯水混合水栓から湯水が出なくなる故障の修理方法
- 故障の症状と原因の絞り込み
- レバーを開け閉めする感触が正常時に比べ軽い
- 給湯器に異常がないことを確認して原因を絞り込む
- 修理方法・手順
- 工具を準備する
- 水栓の元弁を閉める
- 水栓を分解する
- 分解して取り出した切換固定弁ユニットZ695Aを観察する
- 切換固定弁ユニットZ695Aを購入する
- 切換固定弁ユニットZ695Aを取り付ける
- 水栓の元弁を開ける
- 自宅の水栓にZ695Aが使えるかを見極める
- 水栓の型番を確認する
- 修理部品を検索する
- 「KF800シリーズ」に賭ける!?
- 本日のらずもねフィーリング
故障の症状と原因の絞り込み
シャワー付湯水混合水栓のシャワーからもカランからも湯水が出ない
シャワー付湯水混合水栓とは、下のような蛇口です。らずもね家の混合水栓はKVK社製。混合水栓のシャワーからもカランからも湯水がでなくなりました。
レバーを開け閉めする感触が正常時に比べ軽い
湯水がでなくなった時から、水栓レバーを開け閉めする感触が以前(正常時)に比べスカスカと軽い(ゆるい)感じがしました。これだけで怪しい。
給湯器に異常がないことを確認して原因を絞り込む
水栓レバーを開け閉めする感触が軽い時点で水栓の故障が疑われます。が、そう決め付けるのは早いと思います。故障の原因が給湯器側にあるかもしれませんので、水栓側の故障と決めつける前に給湯器に異常がないか確認しましょう。
確認は簡単。給湯器のリモコンにエラー表示がないことを確認すればいいでしょう。もっと簡単なのはお風呂以外の水栓、例えばキッチン、洗面から湯水が出ればOK。給湯器でつくられたお湯が供給されている状態です。ここまで確認できれば、お風呂の水栓の故障と見ていいでしょう。
修理方法・手順
もし、上の症状があるなら、次に示す修理方法・手順により復旧できる可能性があります。
「シャワーが出ない・・・困った・・・どうやって対処しようか」となって、検索して辿り着いたのが下の動画。修理方法・手順が参考になりました(感謝!)。
動画で紹介されている修理方法・手順は次のとおりです。
一つずつ見ていきましょう。
工具を準備する
水栓を分割して修理しますので次の工具が必要です。
- KVK社製シャワー付湯水混合水栓の修理に必要な工具
- マイナスドライバー
- モンキースパナ
- プライヤー
水栓の元弁を閉める
工具を準備したら水栓を分解していきます。
分解前に水栓に供給される湯水の元弁を閉めましょう。元弁を閉めないまま水栓を分解すると湯水がダダ漏れします。忘れずに元弁を閉めましょう。
元弁はマイナスドライバーで簡単に閉めることができます。
水栓を分解する
元弁を閉めたら水栓を分解します。
最初にマイナスドライバーを使って「切換ハンドル(開閉レバー)」側面のキャップを外します。
次に「切換カラー」を外します(下写真)。
切換カラーはリング状の形状から伸びる板状の部分がカバーの中に入り込みツメで固定される構造になっています。このツメを外すあたりが少し外しにくいです。が、切換カラー手で少しずつずらすようにして外しましょう。なぜなら、次の手順で緩める切換固定ナットにしっかりとモンキースパナを噛ませるためです。切換カラーを外さないまま、無理やり切換固定ナットを緩めるとモンキースパナの噛みが甘く切換固定ナットのヤマを舐めてしまいます(切換固定ナットは真ちゅう製でやわらかいため舐めないように注意がひつようです)。
切換カラーを外したら、モンキースパナを使って切換固定ナットを緩めます。水栓の分解ではここが1番難しい。全体重を乗せてないと緩まないぐらい結構チカラが要ります。その力によって、水栓自体が壊れてしまうんじゃないかと心配になりますが、うまく加減しながら切換固定ナットを緩めましょう。
切換固定ナットを緩めると、切換固定弁ユニットZ695Aを外せます。プライヤーとモンキースパナを持ち、テコを効かせる感じで引き抜けます。
分解して取り出した切換固定弁ユニットZ695Aを観察する
らずもね家では、分解して取り出した切換固定弁ユニットZ695Aが故障の原因でした(下写真:正常品)。
切換固定弁ユニットを観察すると、カラン向けとシャワー向けの穴が見えます。正常な切換固定弁ユニットでは、これらの穴が切換固定弁ユニットの軸の動きに連動するのですが、故障したものは連動しませんでした。これが故障の原因でした。
みなさんが取り外した切換固定弁ユニットに同じ現象が見られたら、Z695Aが原因と特定してよいでしょう。
切換固定弁ユニットZ695Aを購入する
ここまで故障の原因を絞り込んだらZ695Aを購入しましょう。
購入するならネットでの購入をおすすめします。なぜなら、ホームセンターなどの実店舗から買うのは難しいからです。らずもねは、仙台市内のホームセンターを5軒、家電量販店(売ってないだろうなと思いつつ悪あがき)3軒を見て回りました。
「型番が分かれば取り寄せできますよ」と言ってくれるホームセンターもありましたけど在庫はなく買えませんでした。ちなみに見た結果は次のとおりです。
- ホームセンターを探した結果(仙台市内版)
- どの店もKVK社の新品水栓の取り扱いが少ない
- 同じくKVK社の修理部品も少ない
- 取り扱いが多いのはTOTO社やINAX社という印象
- 家電量販店を探した結果(仙台市内版)
- ヨドバシカメラHPでZ695を通販していた形跡(通販サイト:在庫なし)があり
- ヨドバシカメラの店舗を見るも在庫なし
- ヤマダ電機もケーズデンキにもなし
で、結局Amazonで購入しました。ホームセンター巡りに土日を使ったため復旧が2日遅れた格好です。遅れたとしても、湯船のお湯が使えるから多少シャワーが使えない不便があるだけ。と言ってしまえばそれまでですが、早いうちにネットで買えばよかったなと思います。
それなのになぜホームセンターでZ695Aを探したのかといえば、それは購入にあたって不安があったから。その不安と解決方法を以下に書いています。
切換固定弁ユニットZ695Aを取り付ける
購入した切換固定ユニットが届いたら、あとは分解の逆手順で取り付けます。
水栓の元弁を開ける
取り付け後は、水栓の元弁を開けます。湯と水、それぞれの元弁の開け具合によって修理前とお湯の温度が違うように感じました。このあたりは両方の元弁のマイナスドライバーで加減して調整しましょう。
自宅の水栓にZ695Aが使えるかを見極める
「早くネットで買って修理すればよかった」というのは、修理を無事に終えた後だから言えること。なぜ、そうできずにホームセンターの在庫品を探して回ったのかと言えば、自宅の水栓にZ695Aが適合するか心配だったから。だから、ネット注文の前にホームセンターに在庫があるなら店員のアドバイスも聞いてから買おうかなと思ったんですね。
ネット通販をしているホームセンターでZ695Aを検索した結果、在庫しているようには見えませんでした。それでも、買う部品が間違っていないか確信したかったのでダメもとでホームセンターを探してまわりました。
水栓の型番を確認する
本体貼付のシールで見ると水栓の型番はRL9KF805TNです。
ちなみに、水栓の取扱説明書では型番がKF805TNRL9になっていました。型番の「RL9」と「KF805TN」の部分がシールと取扱説明書で入れ替わっています(なんで?)
修理部品を検索する
型番がわかったら次は修理部品を探します。型番ごとの修理部品がズバリわかる対応表等があれば最もわかりやすいと思います。が、KVK社のホームページを含め残念ながらネット上ではそうしたものを見つけられませんでした。
修理部品の型番がはっきりすれば、ネット通販なりなんなり安心して注文できるのに。ん~困った。修理部品を買ったはよいが使えないとなると、それって他の使い道のないもの。全くの無駄な出費になっちゃいます。こういうの嫌い。こういうのは避けたい。
「KF800シリーズ」に賭ける!?
で、検索を続けると何やら「KF800シリーズ」と呼ばれるシリーズがあるもよう。たしかに、型番ごとに修理部品が異なるとメーカーにとっては高コストでしょうから、共通部品を作って「〇〇シリーズには全てこの部品が使えますよ」としたほうがコストを下げられるんだと想像できます。それならそれで、この点をはっきり示してもらえるとありがたいのですが、そういった記事にも出会えませんでした。
それでも検索を続けたところ、次のホームページを見つけました。
- KVK社ホームページ「サーモスタットシャワー切替弁ユニットPZ695A」
- https://www.kvk.co.jp/support/category/detail/PZ695A.html
上のホームページから「商品カタログ」を見に行くと下図のように「■KF800、KF850、KF880、KF890、KF900、FTB100K」との記載があります。この記載が、もしかしたら「KF800シリーズ、KF850シリーズ、KF880シリーズ・・・に使えますよ」という意味なのかもしれません。
ここまで調べると「まぁそういうことだろうな」と思いましたが、念には念を入れてKF800シリーズの代表格(自宅の水栓にも似ている)KF800の商品サポートサイトを見てみました。
- KVK社ホームページ 商品サポートサイト「品番KF800」
- https://www.kvk.co.jp/support/category/detail/KF800.html
すると、自宅水栓の型番RL9KF805TNに合致しないものの、ここに「切替弁ユニットPZ695A」の記載がありました(下図赤丸)。
結局のところ、RL9KF805TNにズバリ適合する修理部品を特定することはできませんでした。また確信が持てるまでには至りませんでした。でも、ここまで調べた結果「KF800シリーズ」にはZ695Aが使えるんだなとの納得しました。
Z695A現品
アマゾンで購入したZ695A現品のタグ部分です。最後まで判然としなかったのは、KVK社商品サポートには「PZ695A」と型番の先頭に「P」がついているいるのですが、Amazonでは「P」がついているものとついていないものが販売されているんですね。
見た目はどちらも一緒。何が違うのかはわかりませんが、KVK AQUASHOPホームページ(下記)を見に行くと、PZ695Aの全長L=98.7という表記が見つかりました。
- 【PZ695A】切替弁ユニット | KVK AQUASHOP 本店
- http://kvkaqua.shop13.makeshop.jp/PZ695A
手元にある壊れた切替弁ユニットの全長を定規で測ると98.7mmを超える10mm程。ノギスがあればより正確に測れますが、定規で測った1.3mmの差は誤差だろうと思いました(Z695A購入後にわかったのですが、壊れた切替弁ユニットはおそらく壊れたせいで、切換ハンドルと反対側の金属部分がはみ出していました。そのはみ出した部分を含めて図ったので10mm程になったんだと思います。
また、KVK AQUASHOP(上記URL)には【代表的な適合機種】が21種類掲載されています(下記)。残念ながらここでもRLKF805TNに適合するか、はっきりと読み取れません。
- 【PZ695A】切替弁ユニット | KVK AQUASHOP 本店【代表的な適合機種】
- KF3011T・KF3050・KF619・KF800・KF801・KF807・KF809・KF810・KF812・KF818・KF850・KF880・KF890・KF9002・KF900・KF9012・KF9013・KF9022・KF9032・FTB100・PS30シリーズ 等用
が、いわゆる「KF800シリーズに適合するということなんだろう」ということと、Amazonでは「P」のないZ695AがPZ695Aに比べ少しだけ安かったのでZ695Aを選びました。
Amazonから届いて現品を見るまで心配でしたが、無事修理を完了。シャワーが使えるようになりました。
本日のらずもねフィーリング
- KVK社シャワー付湯水混合水栓から湯水が出なくなる故障の修理方法をまとめました。
- 修理部品がZ695Aだと確信できるまで調べましたが、結局のところ確信を得るまでには至りませんでした。
- それでも「KF800シリーズに適合するだろう」「PZ695Aの全長L=98.7に対し実測約10mmだからおそらく間違いないだろう」という判断でZ695AをAmazonで購入。
- 今回の経験を振り返ると、自分で水栓を修理するには次の条件を揃える必要があります。
- 工具が揃っていること
- 修理部品を粘り強く調べ続けられること
- 修理部品を確定できなくても一か八か購入してみる勇気があること
- 水栓の固定ナット(少々固め)を緩める腕力があること
- 男性であれば一人でも修理できると思いますが、女性には少し難しいかもしれません。
- 一人での修理が難しい場合には、プロにお任せするのがいいでしょうね。