- こんなあなたに
- 転圧したい人
- 人力転圧の効果を疑問視する人
- ランマーの威力(効果)を知りたい人
- 困りごと
- 転圧したいけど人力じゃ限界があるのでは
- ランマーって素人でも使えるの
こんな困りごとにこたえます(以下,2012年10月に別のブログに書いていた記事の移植です)。
理由と目的
土を締め固める方法の一つが転圧です。土に力を加えると,土中に含まれる空気が押し出され,粒子同士の接触が密になります。結果,土の固さが増し支持力が向上します。
街を歩いているとたまに歪んだレンガ舗装を見かけますよね。あの残念な状態を避けるには転圧が欠かせません。でも,土中の空気を押し出す程の力を加える「転圧」って人力でできるでしょうか。
一応,できます。道具も市販されています。モノによりますが,お値段は1日のランマーリース料金と同程度。繰り返しリースする可能性を考えれば購入するのも一手。さて,道具を買うか。リースか。あなたは,どちらを選びますか。
わたしたちがDIYで地盤を整えようと転圧の必要性を考える時,「転圧って絶対に必要なの?」って疑問を感じます。この答えはわかりません。たぶん「やらないと不等沈下のおそれが残るのでやったほうがいい」です。「絶対に必要」ではなく「やったほうがいい」です。
土盛りを伴う造成,道路工事等でコンバインドローラーを用いる大規模な転圧のことはネット上で見つけられます。どうやら,転圧力は地質にあわせて決定するようです。となれば,砂質,れき質,粘土質等,あらかじめ掘って地質を特定しなければなりません。
さて,外構工事ではどうでしょう。そもそも地質は場所(ご家庭)によって違います。地質を特定し適切な転圧力を決める。外構工事でここまで吟味する(コストを投じる)必要はあるでしょうか。ネットを調べてもアプローチ舗装,フェンス基礎等の転圧要否を紹介するものが少ないのは,地質が特定できず,その結果,転圧力も決定できないためはっきりしないのが一つの理由と感じます。多分,ここまでのきめ細かさはないでしょう。
「やらないと不等沈下のおそれが残るのでやったほうがいい」レベルだと感じるのもこのためです。工事店にお願いすれば,ほとんどのケースで転圧してくれると思います。DIYではハードルが高い転圧をやってもらえるのはメリットです。ただ,その転圧力が適切なのかは判断がつきません。「いつもこれでやってるから」ぐらいのことなんだと思います。
らずもね家の場合,工事する位置の地質を特定できるはずもなく,まして適切な転圧力を設定するなどできませんでしたが,「やらないと不等沈下のおそれが残るのでやったほうがいい」ということで省略せずに転圧しました。転圧に使う道具は,①使用機会が少ない,②機械力のほうが圧倒的に有利,ということで転圧道具は買わずにランマーをリースしました。
いつやるか
地面を掘り下げたら掘削地盤を転圧。そこに砕石を入れたら転圧。と,工程中,数回転圧します。1回で済むということはありません。リース費用で転圧道具を買うより高上りになります。が,その後の不等沈下を避けたいなら威力・効果に優るランマーを選ぶのが無難でしょう。
効果の見本
ランマーを使う前,掘削されてフカフカしていた地面が・・・
ランマーで叩かれキュっと引き締まる。土中の空気が抜けて密度が高まったのが目に見えてわかる。アクセルを全開にし前進させるとあっという間に転圧完了。感激です。
リスク
ランマーの強力な威力は,その振動によって生み出されます。作業者には振動の影響で白ろう病に罹るリスクが伴います。
白ろう病のことは専門サイトを調べて下さい。DIYでは使用する電動工具の中によるケガ,病気のリスクが潜んでいます。ランマーは,重いしあの威力で手足を挟まれたら大けがします。
こうした留意点については,自分の判断・自己責任でやっていかなければなりません。自己責任で。当サイトはランマー使用によるいかなる損害についても責任を負いません。今思うと,自分でもかなり思い切ったことをしたものだと思います。
整地作業でランマーの威力を確認も使用後に白ろう病のリスクに気づく
- 掘削後,転圧へ
- 人力転圧の限界
- 角材を使った転圧にチャレンジも効率悪すぎ
- 思い切ってランマーをリース
- ランマーをリースするには
- ランマーの種類
- タッピングランマーで転圧
- 安全な転圧作業のために
- 本日のらずもねフィーリング
掘削後,転圧へ
整地作業をスタート。地面にツルハシを突き刺す。スコップで掘る。出てくる石や雑草の根を取り除きながら,計画深さまで掘り下げる。
さあ,掘削の次は転圧だ。
転圧なんて気合があればできる。最初はこうたかをくくってました。が,かんたんではありません。重労働です。
人力転圧の限界
人力転圧では,通常「タンパー(ダンパーとも)」を使います。
上写真のように両手で持ち上げて落とし,タンパーの重さで土や砕石に力を加えるタイプがスタンダードです。
このタイプは,「特長1:アスファルトなどの鎮圧作業に便利」「特長2:スライド式のためズレない」「特長3:頭部を際に固定してハンドレバーを落とすことで、角もきれいに仕上がる」「特長4:スライドが軽く力をあまり入れずに作業が可能,ゴムグリップですべりにくい」,で当然「特長5:手動のため電源・燃料不要」という利点があります。
角材を使った転圧にチャレンジも効率悪すぎ
らずもね家では,タンパーを入手できなかったんです。
近所のホームセンターには売ってなかった。代替として,90×90×1820mmの角材(重さは5kg以下かな?)を買ってきて地面を突き固めました。たしかに,突き固めることはできます。ただ,一度に突き固められる面積はわずか90×90mmの面積(涙)。重い角材を持ち上げてたったこれだけ。角材は年中の子どもを抱っこするより軽い。でも,10回も突き固めると息切れがする。反復作業は重労働。
効率,悪すぎ。
角材を使った人力転圧は,即,限界に。近所のホームセンターに売っていないタンパーをネット購入しようかとも思いましたよ。角材ではない転圧専用の道具ならうまくいくかもってことでね。ただ,角材転圧で経験した重労働を再び自分に課す勇気はなく,あきらめました。
思い切ってランマーをリース
タンパー購入はあきらめたけど,転圧しなければ先に進めない。不等沈下を避けるためにも省略したくない。早々に人力転圧に見切りをつけ,思い切ってランマーをリース。
ランマーの威力は強烈だ。人力の苦労がなんだったのかというぐらい,短時間で強力に転圧できる。(ちなみに,上写真に写る転がっている角材が,人力転圧用として買い求めたヤツ)。
ランマーをリースするには
真っ先にケガ,白ろう病のリスクがあることを認識下さい。リスクを許容できる方は,ランマーを運ぶ手段(軽トラック等を何らかの方法で準備)を含めて見積り,ケガなく自分でできるかをよく考えましょう。ホームセンターや建設機械リース店でリースで取扱いがあることが多いようです。ランマーの燃料はガソリンです。ガソリンの準備と補給は借りた側の作業です。自ずとガソリン携行缶が必要になります。
ランマーの種類
ランマーの種類は大きく二つ。それぞれに適した用途があります(リースする際,店主から教えてもらいました)。
タッピングランマー
「地盤を突き固める」目的なら,タッピングランマーがイイとのことです。
プレートランマー
「地盤を整える(なでる)」目的なら,プレートランマーがイイとのことです。
タッピングランマーで転圧
タッピングランマーを軽トラックで運び,転圧したい場所に重量約60kgのランマーを持ち込む。降ろすのも乗せるのも一苦労。
苦労続きの転圧を一気にこなすスーパーヒーローの雄姿に見とれながら,エンジン起動。ハーレーダビッドソンのような轟音,地面を叩く振動は初体験の者をビビらせるに十分な迫力。負けじと冷静に慎重に足元を注意しながらランマーのアクセルを全開にして前進させます。
すると,掘削したばかりでフカフカだった地面が・・・
あっという間に転圧完了。感激です。
安全な転圧作業のために
訓練
タッピングランマーをリースして転圧する。機械力に任せたこの作業は,人力転圧に比べ圧倒的に効率がいいです。ただ,わたしたちが「DIYで気軽に庭づくりを楽しむ」という感覚とは少々違います。重量物を扱うためケガのリスクがある。ガソリン(危険物)を携行缶で自宅に持ち帰る。これらの点でハードルが高い作業です。
指示と監督
転圧面積が小さければランマーを使わず人力転圧するのもいい選択です。なんてったってDIYですから。重労働な点は時間を長くとって作業量を分散させて解決できます。「この土日で決めよう」とリキまず,「この1ケ月かけてのんびり転圧しよう」ぐらいでどうでしょうか。/p>
一方,転圧面積が大きければ大きい程,人力転圧は難しくなります。ここで選択肢に浮上するのが機械力での転圧。ランマーのリースです。ランマーをリースする際は,「運べるか?(軽トラ等借りれるか?)」「ガソリン補給できる?」等をケガなくやれるかを考えましょう。
懸念と解決
外構工事費用を抑えるためにDIYを選ぶ。らずもね家もその中の一人です。忘れてならないのは費用ばかりを気にしてDIYでケガしたらもともこもないということです。「プロにも負けないDIYを目指そう」という意気込みがあってもいいでしょう。でもケガしちゃったら,「せっかくの楽しい庭づくり」を悔いることになります。これはいけません。
本日のらずもねフィーリング
- いかがでしたか?
- DIYは失敗がつきもの。仕上がりの出来栄えには悲喜こもごもあると思いますが忘れてならないのはケガのおそれです。
- ブログ内でいくつかのDIYを紹介していますが,タッピングランマーを使った転圧は,大ケガにつながる危険を肌で感じるものでした。
- 決して無理をせず,楽しい庭づくりを気楽に楽しみましょう。