2016年,春。「これからの雑木の庭」を読んで2015年に植えた樹種7つに続き,仙台市内を奔走してかき集めた樹種8つを紹介します。
1⃣樹種選定における夫婦間の小競り合い
作りたい庭の共通理解のために
「なんとなくコレがイイと思う」 店頭でそう言いながら夫婦で選んだ一冊。それが,わが家にとっての運命の一冊だ。もはやバイブルとなり,日々崇めていこの一冊に(比較的)忠実に雑木の庭のDIYを続けている。 当時,選んだのは本一冊だったけれども,振返ればこの時,同時に作りたい庭のイメージを選んでいた。 「なんとなくコレがイイと思う」 なぜコレをいいと思うのかはわからない。理屈より直感。なんとなくハマるものがいいに決まってる。 さらに言えば,この一冊は夫婦間の庭造りのイメージの共通理解でもある。 こんなふうにしたい。こうだといいな。 この一冊があれば素人でもイメージを具現化できるのがいい。 こんなふうに共通理解があれば,庭づくりもスムーズに進む・・・と思っていたのだが,そう甘くはない。特に樹を選ぼうという場面では,常に夫婦間の小競り合いが生じる。心地よい庭を目指すには,こうして心地よくない場面を潜り抜けなくてはならならい。
最終的には「呆れさせる戦法」で逃げ切る
小競り合いを生む背景はこうだ。 この本の146~159頁に紹介されている樹種に従って選んだほうが失敗が少ないと主張する私。 対して,微妙に洋風テイストを盛り込もうとする妻。確かに全頁を見渡せば146~159頁に紹介されていないクリスマスローズが植えられているように見える写真もある。和風と洋風の境界線上にあるような微妙なイメージを目指したい気持ちもよくわかる。 総論賛成。各論反対。 共通理解があるとはいえ,細部について話はじめると小競り合いになる。 結果からいうと,樹種選定における小競り合いは「呆れさせる戦法」で逃げ切る。以下,この戦法で勝ち取った樹種8つを紹介します。 ちなみに,以下に紹介するカクレミノ,ジンチョウゲは「これからの雑木の庭」146~159頁で紹介されているものではありません。植えたい場所の日照条件等から選んだものです。2⃣アセビ
葉のカタチにゾッコンだったアセビ。いつかは植えたいと考えながら毎年蹴られ続けていたアセビ。こちらの旅行で神社仏閣に多く見られたアセビ(リンク先を除いても写真はありませんが,半日陰に佇むアセビの雰囲気はスゴク良いものでした)。こうして,アセビを植えたい旨を繰り返しアピール。 そもそも嫌われる理由は「花の咲き終わりが汚い」ということだった。 この点を「花が終わったら早めに摘み取るらしいことがセオリーである」こと追加情報としてインプットし,渋々,植えることの許可をいただいた。 コナラの足元に植えたアセビの柔らかい枝ぶりがイメージどおりで大満足なのであります。
3⃣アズキナシ
どちらかというと,「毎年いつまで買い続けるのか」という点でお叱りをいただきながらも,「コイツだけは欠かせない」との一点張りで強行突破したのがアズキナシ。ハカリノメと呼ばれることもあるこの葉が美しい。
4⃣ウバメガシ
上で紹介したアセビとアズキナシの小競り合いの結果,立て続けに「この樹どう思う」と尋ねると,「好きにして」と投げやりな返事が返ってくるようになる。こうなるとシメタもの。樹種選定の障壁が取り除かれた。 ということで,目隠し用にウバメガシを購入。目隠しの任務を見事に果たしてくれています。
5⃣カクレミノ
コナラ。ダンコウバイ。これら落葉樹の間にポッカリ空いた隙間を冬でも埋めたい(目隠ししておきたい)。ウバメガシと同じく目隠し役として購入。日陰が好きなカクレミノは,ダンコウバイ等によって日陰になる場所にそっと植えました。
6⃣アラカシ
シラカシ,ソヨゴに常緑樹の種類をプラスしたくてアラカシを追加。というのは,こんな時に常緑樹を植えて良かったと思った経験からです。状態のよいアラカシに出会えてよかった。
7⃣ソヨゴ
「これからの雑木の庭」を読んで2015年に植えた樹種7つのうちの一つがソヨゴ(雌)でした。昨年購入のソヨゴ(雌)に今年も赤い実をつけて欲しいので,(お手頃な価格の)ソヨゴ(雄)を探し回ってゲット。 春先,市販されているソヨゴは葉が落ちていたり,葉の色が悪かったりと,心配な面が先に立ちますが,しっかりと新芽が吹いてきました。
8⃣ツツジ
常緑低木としてツツジを召喚。 雑木の庭には春一番ツツジなどが適するとされていますが,低く仕立てたいので平戸ツツジを選定。植付には鹿沼土を混ぜ込んで植えました。
9⃣ジンチョウゲ
ツツジとともに常緑低木が欲しくて,何がいいか考えた結果,ジンチョウゲを召喚。 購入時点では花が終わりかけていましたが,その香は健在。キンモクセイの香は苦手だけどジンチョウゲはいい。来年の春が楽しみです。