雑木の植えつけの適期は樹種によって異なるものの,全般に春,秋の2回。そして,剪定の適期も年2回(主に初夏と初冬くらい)がよいとされている。個人的に絶賛中のこちらでは「剪定で生長をコントロールする」ことによりシナヤカな枝ぶりを維持していくことの大切さはわかったけれど,さて,剪定する枝と残す枝はどのように選ぶべきなのか?,切り方は?,などわからない点が多い。そこで「手入れがわかる雑木図鑑」を手にした。やっぱりコレくらいは知っておきたいものですね。
全体構成
「手入れがわかる雑木図鑑」の内容は,三部構成となっている。 第一部「雑木を活かした庭づくり」,第二部「雑木と人気樹種の手入れの仕方」,それから第三部「剪定の基本と管理のコツ」だ。
最も役立つのは,第三部「剪定の基本と管理のコツ」だ。われわれ素人が庭師の技を真似するきっかけを与えてくれる(以下でもう少し詳しく触れています)。 それと,第二部「雑木と人気樹種の手入れの仕方」もよい。第三部を読んで基本を知った後,手にハサミを持つと伸びた枝を切りたくなる。が,どの程度切ればよいのか,迷うことが多い。その点,樹種別に異なる剪定するボリュームを示してもらえること等はありがたい。 一方,第一部「雑木を生かした庭づくり」には物足りなさを感じる。たぶんこちらを読んだ後だからだと思う。
ちなみに,この「手入れがわかる雑木図鑑」より1年程前に発刊された同著者によるこちらの一冊もある。両者は,同じ挿絵が使われたり,内容が重複したりしているので,多少の値段の違いはあるけれど「カラー刷り」と「写真」が充実した前者「手入れがわかる雑木図鑑」がよい。。
剪定の基本と管理のコツ
第三部「剪定の基本と管理のコツ」の内容は,知っている人には当然のことなんでしょうけど,何も知らない人にはありがたい。 ハサミで枝を剪むのは素人にもできる単純作業。なのに,剪定を生業とされる庭師が存在するのはなぜか。生業として成り立つ仕事・分野・領域には,どれを見てもそれぞれに匠がいる。第三部の内容は,われわれ素人が匠のテクニックと知識の一旦を拝借させていただける内容に感じる。ありがたい一冊だ。
人気樹種の手入れの仕方
樹形が違う。生長が違う。剪定時期が違う等など。剪定の基本を知ると,即ハサミを入れたくなるが,もう一つ樹種ごとの剪定の違いをインプットしておいたほうがケガが少ない。DIYで植えた大切な木々を枯らしたのではもともこもない。 その点,本書はありがたい。 樹種別の樹形,葉,花,実,さらに紅葉の様子等の写真とともに,手入れの仕方がまとめられた第二部は,われわれ素人にさらなる安心感を与えてくれる内容に感じる。写真が多いので「何を植えようか」と樹種を選ぶ際にも参考になりそうですしね。