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「やり抜く力」その意欲を激変させる「賢明なフィードバック」

こんなあなたに
チームメンバーの「やり抜く力」を育てたい
子供の「やり抜く力」を育てたい
自分の「やり抜く力」を育てたい
困りごと
モチベーションが上がらない
モチベーションを上げる術を知らない

こんな困りごとにこたえます。

この記事でお伝えすること

困難に負けず最後までやり遂げる「やり抜く力」。

その意欲を激変させるフィードバックの方法をまとめています。

「やり抜く力」とは

そもそも「やり抜く力」とは・・・その定義は,次の一文から読み取れます。

みごとに結果を出した人たちの特徴は,「情熱」と「粘り強さ」をあわせ持っていることだった。つまり,「グリット」(やり抜く力)が強かったのだ。[引用: やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける [ アンジェラ・ダックワース ],23頁

同書では「情熱と粘り強さを持つ人が結果を出す」「学力,体力,適正の違いは問題にならない」「やり抜く力が強い人ほど進学する」とも言っています。

「やり抜く力」を刺激する「賢明なフィードバック」

「個人のDIY」のレベルを超えた掘削量にチャレンジして完成したアプローチ舗装と書いたとおり,(経済的理由などの)必要に迫られれば,らずもねにも「やり抜く力」スイッチが入ります。

【築1年目】重労働の掘削作業を突破して悲願のアプローチ舗装完成へ突き進む

ただ,こうした「一時的なもの」は,同書で言う「やり抜く力」ではないようです。

毎日毎日。来る日も来る日も。粘り強く。あきらめず。絶えず情熱から溢れ出す行動を実践する。こうした言葉から連想される姿が同書でいう「やり抜く力」のイメージです。

「情熱」とか「粘り強さ」とか。普段,考えないし,感じない。たぶん,最も触れられたくない精神領域なんです。

私たちが苦手とする「情熱」「粘り強さ」を自分自身に,子どもに,はたまたチームのメンバーで身につけていくには,どうすればいいのでしょうか。「やり抜く力」を身につけるにはどうすればいいのでしょうか。

その答えがやり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につけるにあります。

そして「やり抜く力」を伸ばす方法の一つが「賢明なフィードバック」です。

「普通のメッセージ」ばかり発信していないだろうか

「賢明なフィードバック」とは,同書から次のとおり読み取れます。

最近,心理学者のディヴィッド・イェーガーとジェフリー・コーエンが実験を行い,「高い期待を伝えるメッセージ」と「惜しみない支援」を組合わせた場合の効果を検証した。[引用: やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける [ アンジェラ・ダックワース ],291頁

「賢明なフィードバック」=「高い期待を伝えるメッセージ」+「惜しみない支援」と理解できます。

「賢明なフィードバック」と対照的な,望ましくない「普通のメッセージ」もあると言います。「普通のメッセージ」とは,生徒が書いた作文を例にすると「作文へのフィードバックとして,いろいろコメントを書き入れました」といったもの。フィードバックを受けた側の心象はさまざまでしょうが,どこか機械的に,事務的に,採点・評価された感じがします。

ちなみに,心理学者のディヴィッド・イェーガーとジェフリー・コーエンの実験結果は次のとおり。

(略)「作文を手直ししたい生徒は,ぜひ翌週に再提出して下さい」と伝えた。その結果,「対照群用のふつうのメッセージ」を受け取った生徒のうち,作文を手直しして翌週に再提出した生徒は40%だった。それに対し,「処置群用の賢明なフィードバック」を受け取った生徒たちの場合は,その割合は2倍も多く,80%にものぼった。[引用: やり抜く力 人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける [ アンジェラ・ダックワース ],292頁

わたしたちは,子ども達に,チームのメンバーに「普通のメッセージ」ばかり発信していないだろうか。こちらがわの評価基準で「未達」と判断した部分を問い詰めてはいないだろうか。

考えると胸が痛みます。

子ども達,チームのメンバー。彼らのモチベーションを上げて「やりぬく力」を刺激し,最後まで成し遂げることを支援するなら「賢明なフィードバック」が有効かもしれません。

本日のらずもねフィーリング

  • 仕事をうまく進めるために,仲間のモチベーションを上げるために,そんな思いで手に取った一冊。
  • 「賢明なフィードバック」の他,「やり抜く力」を育てる方法が紹介されていて,(発刊当時と思われますが)10台の子どもをもつ母親の目線で語られる一面もあり,仕事に限らず,子育てにも大いに役立つ一冊です。
  • 読むにつれ,「”やり抜く力”を育てる10カ条」のような端的な結論を求めたい。そんな気持ちにかられます。が,「やり抜く力」を育てたいなら,育てる側(私たち)の人格が問われていることに気づかされます。
  • 厳しくも優しく愛情をもって。そんな感情から培われる観察眼を備えるからこそ,彼らへ高い期待を伝え,惜しみなく支援することができる。あたり前と言えば当たり前の下地を身につけることが先決。そういうことだと思います。

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