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そば処「萬乃助」VSあらきそば 幸楽苑ユーザの一考察

茅葺屋根の母屋 オレンジ色の光の下 山形蕎麦をすする

ちょっと晴れれば即30℃を越えちゃう激暑の山形。 村山市にある茅葺屋根の母屋。その中は信じられないほど外部の熱気をシャットアウト。 暗い座敷の中で吊るされた白色電球がオレンジ色の光を放っている。蕎麦をすする。これが山形蕎麦か。

「あらきそば」には開店時刻前に滑り込んだ。 おかげで母屋に隣接の駐車場にとめられたが,すでに待ち順は10番を超えている。 先に並ぶみなさんが涼しい顔をしている。その様子をうらめしく感じたが,自分の後ろに並ぶ人が続々やってくるとそんな感覚は瞬く間になくなった。 6月のフツウの土日だというのに,横浜ほか関東圏を含む他県ナンバーの車が数台来ている。 さすが有名店。

長野で食べたあその蕎麦とは違う

振返れば,テレビで見る蕎麦の美味しさ,蕎麦の香りを初めて味わったのは善光寺の蕎麦屋。 もう10年以上も前のことだから店の名前は忘れたけれども,舌に深く刻まれた長野の蕎麦の味は食べた瞬間から判断基準として定着した。

あらきそばは美味い。 板そば(うす毛利)が到着する前にいただいた漬物に郷愁を感じる。蕎麦の香りを感じる。にしんの味噌煮もうまい。しかし,わさびが付かないのは寂しい限り。大きな減点。 長野で食べたあの蕎麦とは違う。 初体験でおぼつかない手つきのまま鮫皮でおろしたわさびの香りが余計に思い出される。

そば処「萬乃助」と山形蕎麦を比べたくて

そもそも,山形まで蕎麦を食べに行った理由。

そば処「萬乃助」は山形蕎麦より美味いのかどうか。比べたくて。 結果,「萬乃助」の方が圧倒的に好き。

違いは蕎麦の細さと舌触り。 萬乃助の蕎麦は上写真のとおり細い。その点,あらきそばは太かった。 もう一つ,萬乃助の蕎麦は極点に言えば粉っぽさがある。対照的に,あらきそばはぬるっとしていた。 わたしの分析では,蕎麦の舌触りは「細さ(太さ)」と「粉っぽさ」の二大要因に相当左右される。 あらきそばVS萬乃助。軍配は萬乃助に上がる。 が,そんな萬乃助も山形市の北西にある葉山山麓で育てた蕎麦を毎日製粉しているという。 萬乃助も山形蕎麦。 萬乃助の蕎麦は長野で食べたあの味を彷彿させる。こう感じた瞬間,「長野の蕎麦」≒「萬乃助の蕎麦」≒「山形蕎麦」という図式が成立。本場山形の蕎麦街道とはどれだけ美味しいのか。その衝動が山形行きへ駆り立てていたのだ。 「仙台で味わう山形蕎麦のほうが好き」という結果に最も驚いたのは自分。 でも,あきらめない。

次は,萬乃助の「冷たい肉そば」を超える山形蕎麦があるのか検証しなければ。

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