- こんなあなたに
- 雑木の庭に使える下草を知りたい人
- 困りごと
- 「雑木の庭」らしい下草を知りたいんだけど?
「あの木の株元に植えてある下草はなんだろう?」「雑木の庭を作りたいけどどんな下草を選べばいいの?」
雑木の庭づくりを考えはじめる時によくある悩みですが、葉の形や色、花の見応えなどを調べることで、植えたい下草が絞り込めます。
この記事では、雑木の庭づくりをはじめたばかりの人向けに、らずもね家の庭に植えた雑木の庭に使える下草12種をまとめました。
らずもねは雑木の庭DIY歴は10年以上になります。落葉樹、常緑樹、下草をいろいろと植えました。このうち購入した3株全てを完全に枯らしてしまったのは唯一ジンチョウゲだけ。健康を損なう要因は見当たらず原因はわかりません。どうやら、ジンチョウゲはもともとウィルスを持っているものが多いとのネット情報があるので,そういったことだったのかもしれませんが、枯れていく様子を見るのはツライものがありました。
以下に紹介する下草12種は,病害虫に見舞われることなく10年以上健やかに育っています。ですから、今まさに下草を買おうとしている方は、この記事を参考に選んでもらえれば元気な「雑木の庭」に近づけると思います。ぜひご覧ください。
雑木の庭に使える下草12種
- 下草とは
- 下草がないとどうなるのか
- 下草選びの前にやって欲しいこと
- 下草の選び方
- 葉の色で選ぶ
- 葉の高さで選ぶ
- 花・実で選ぶ
- 雑木の庭に使える下草12種
- オニヤブソテツ
- キチジョウソウ
- ギボウシ
- シダ
- シュンラン
- シラン
- ツワブキ
- ハラン
- フッキソウ
- ヤブコウジ
- ヤブラン
- リュウノヒゲ
- 本日のらずもねフィーリング
下草とは
下草は林の中に群がって生えている雑草と言われます。雑草というとタンポポ、スギナ、ドクダミなどなどがあります(これら全て、らずもね家の庭に生えている雑草)。が、こういう(よく広く一般に呼ばれている)雑草とは違います。
上写真は仙台市新川を散策した際に撮った1枚です。雑木林には写真のように互いに競合し淘汰され、その土地(環境)に適合する植物が群がって生えます。雑木の庭に使う下草とはこうした植物を指します。
第3の樹種に「アカシデ」を選んで正解だったと確信した新川散策
下草がないとどうなるのか
下写真のように、せっかく木々を植えたとしても株元の地面の土が露出していると殺風景です。
見た目だけではありません。下草がないと木々の株元が乾燥しやすくなります。
高木は自分の枝葉で株元に日陰をつくります。こうして株元の乾燥を避け、適度な水分を保てる環境にあれば問題ありませんが、乾燥が進むと木々がダメージを受けます。
その点、下草があれば、地表(土)が直射日光に晒されることはありませんから下草がない状況に比べ間違いなく株元の乾燥を防ぐことができます。
雑木林では高木や中木などがつくる日陰により日射量が変わります。日射量により地表面の温度、湿度も変わります。上に貼った新川散策の写真でもわかるとおり、雑木林の下草はこうした環境のもとで競合と淘汰に晒されます。雑木の庭は雑木林の要素を庭に持ち込むものですから、雑木林の中でふつうに起きていること、つまり高木・中木と下草類の相互補完作用をつくらないことには「雑木の庭」と呼べないのかもしれません。
下草選びの前にやって欲しいこと
下草を植える位置と選んだ下草の適性は合っていますか?
枯らしてしまわないように、下草選びの前にこちらの記事をおすすめします。
雑木の庭を造りたいならコレを読め(厳選の1冊)
下草の選び方
それでは、どのように下草を選べばよいのでしょうか。
雑木の庭に使える下草は数多くあります。らずもねが採用した下草だけでも12種。他にもまだまだあります。ここでは「葉の色」「葉の高さ」「花・実」に着目して選び方をまとめました。何もしらないままに多くの下草を眺めるよりは、選び方(着眼点)を感じながら調べていくのがよいと思います。
葉の色で選ぶ
下草の葉の色は一言で表せば緑色ですが、種類毎に葉の色を並べれば「濃い(深緑)」から「薄い(黄緑)」の軸上に並びます。色の濃い、薄いを厳格に評価するのは難しいですが、「葉の色が普通(深緑と黄緑の中間くらい)な下草」を加え、大きく3つに大別すると次のとおりになります。
例えばキチジョウソウ(黄緑)で木々の株元を覆うとキラキラと明るい印象になりますよ。反対に深緑だとズッシリ重い印象にもなりますね。
葉の高さで選ぶ
葉の高さは、木々の株元全体にどれくらいボリュームを持たせたいか、ということに関係します。例えば、葉の高さが低いリュウノヒゲをたくさん植えることで水平方向(面積)を埋めることはできますが、垂直方向にボリュームを持たせることはできません。
その点、葉の高さがあるシランを織り交ぜるとボリュームを持たせることができますし、2株、3株・・・と増量することでよりボリューミーに見せることができます。
花・実で選ぶ
下草の花は地表付近に伸びる短い茎に小ぶりな花を咲かせるものが多くあります。が、花・実をつけるか、つけないか、はわかりやすい違いだと思います。
花をつけない植物の代表格はシダ植物です。シダ植物は花(種子)ではなく胞子で繁殖します。だから花はつけないらしいです。
下草の花や実は小さいものが多いのは確かですが、季節が進んでいることを教えてくれる「季節感のかたまり」みたいなところがあります。
雑木の庭に使える下草12種
下草12種
リストをクリックすると,その下草の関連ページ一覧(タグページ)にリンクします。
オニヤブソテツ
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 目立ったエピソードなし(準備中)
- 関連記事:こんな時に常緑樹を植えて良かったと思うのです
キチジョウソウ
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 2017年春 目指すのは下草の充実で大量に植えたシュンラン。
- ハイポネックス原液照射によるトサミズキの復活劇の中,トサミズキ近傍に位置するキチジョウソウもハイポネックスのおかげで葉の勢いはバリンバリンに。
- 元気みなぎる濃い緑色。2016年に植えたキチジョウソウとは比べ物にならない勢いがある。
- 冬に向け落葉が進み緑が減っていく中で,緑の姿を維持してくれるありがたい存在。
ギボウシ
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 2015年に植えて以降,唯一の登場が待ちに待ったギボウシの花が咲いた≪紫色なのがさらに良かった≫ですので,ご覧下さい。
シダ
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 準備中
シュンラン
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 2017年春 目指すのは下草の充実で大量に植えたシュンラン。
- 全般に下草は地味なので存在すら忘れるのですがシュンランは冬に輝きを放つんです。
- 冬になると地面に這いつくばるようにシタ~っとなる下草がある一方,シュンランは株元から立ち上がったままなんですね。
- 「季節を問わずキリッとした下草がイイ」という方におススメです(個体差もあると思います)。
シラン(紫蘭)
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 「これからの雑木の庭」を読んで2016年に植えた下草5つの中の一つ。
- 2018年,適期の10月にシラン(紫蘭)の株分けに初挑戦。シランの生命力の強さ頼みの実験です。
シランは小さな花をつけます。花の色は紫色。白色もあります。花をつける下草は他にもあります。ただ、雑木の庭に用いられる下草の花の多くは小ぶりのものが多く、見応えがあるとは言いにくいです。
その点、シランの花は大きさこそ小さいですが、1本の茎に7~8輪咲きます。シランの株が1つだけでなく、2つ3つとある程度のボリュームを密集させると映えます。らずもね家では毎年5月頃、シランが花を咲かせます。緑の中に浮かび上がる紫色・白色。庭の彩りが加わると華やかになりますよ。
上写真の右下の葉はシランの葉です。シランの大きな葉もキレイですよ。
花後、葉は夏にかけて地面から20~30cm程、立ち上がるように大きく生長します。その様は生命力のかたまり。イキイキとした葉に元気をもらえますね。
ツワブキ
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 2015年に植えた後,主からイメージとのギャップが大きすぎて違和感とのコメント(愛情表現)を浴びるも,ダンコウバイとともに「丸い葉っぱコーナー」を形成。
- 2018年には持ち前の黄色い花をダンコウバイの黄葉にシンクロさせる離れ業をやってみせる。
- 植えたツワブキ(個体)は鉢に入ったヤツ(ホームセンターで購入)だったけど,毎年着実に株が大きくなっている(葉を増やしている)。
- 枯れた葉を取り除く手入れも欠かさずやっとります。
ハラン
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 目立ったエピソードなし(準備中)
- こういった感じで完全な背景になってしまうのがハランです。
フッキソウ
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 準備中
ヤブコウジ
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 準備中
キチジョウソウ、ヤブラン、シュウノヒゲ、シランなどなど、幅は様々でも細く長い葉の下草が多い中、ヤブコウジの円形に近い葉はアクセントになります。ツヤツヤとした葉の表面も見る側に元気を与えてくれますね。
ヤブラン
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 主が見ている中,堂々とヤブランの実を食いやがる鳥がいます。
リュウノヒゲ
- 病害虫歴
- なし
- エピソード
- 準備中
本日のらずもねフィーリング
- 下草は地表レベルで葉を広げる点で雑木(高木・中木・低木)と異なります。下草の葉の大きさや高さは様々ですが、高木群がつくる日陰の中で地表面の水持ちを保つ役目を担います。
- 雑木林の美しさを庭に持ち込む「雑木の庭」では、雑木さえ植えれば良いと思いがちですが、そうではありません。雑木林に見られる雑木群と下草の組み合わせが大切。高木・中木・低木そして下草が組み合わさることで、美的・機能的に健康な雑木の庭になります。
- この記事では雑木の庭に使える下草12種をまとめました。次の記事では雑木の庭に使える樹種(落葉樹・常緑樹)をまとめていますので、ぜひご覧下さい。
- 雑木の庭に使える落葉樹12種
- 雑木の庭に使える常緑樹9種
- 雑木の庭に使える下草12種(この記事)
- 雑木と下草を組み合わせて理想の庭をつくりあげていくのは楽しいですよね。存分にお楽しみ下さい。初心者の方でもこのリストにそって選べば「雑木の庭」に近づけます。