- こんなあなたに
- 雑木の庭をつくりたい人(初心者)
- 庭づくり初期段階の人
- 困りごと
- 雑木の庭の本っておすすめある?
- 雑木の庭づくりの手順ってあるの?
- 未経験者のDIYでどこまでできる?
- 雑木・下草を選ぶにはどうすればいい?
- 木々を健康に保つために必要なことは?
雑木の庭を考えている初期段階の人によくある悩みですが、庭づくりのポイント『3つ』をおさえれば、失敗の可能性を小さくできます。
らずもねが雑木の庭DIYをスタートしたのは2013年のこと。庭づくりの経験なし。まったくの初心者でしたが3つのポイントをおさえればDIYでここまでできます(以下,写真をクリックすると記事にリンクします)。
雑木の庭の春
庭に雑木を植えて,毎年春には芽吹きの生命力をいただきます。
雑木の庭の夏
夏の直射日光。コンクリート舗装の輻射熱とは無縁の世界。
雑木の庭の秋
黄,橙,赤に染まる紅葉・黄葉が美しい。
雑木の庭の冬
雑木群が生命力を爆発させる瞬間を心待ちにしています。
らずもねが10年間育てた雑木の庭は元気に生長を続けています。未経験からでもここまでできます。
庭づくりを考えはじめる時、「〇〇な感じの庭をつくりたいんだけど、こういうやつをなんと呼べばいいの?」と疑問に思う方もいると思います。そういう方は次の記事をおすすめします。ぜひご覧下さい。
そもそも「雑木の庭」とは
雑木の庭づくりでやること『3つ』
とても大切な3つの順番
さて、早速、結論です。次のステップ1、2、3の順番が大切です。
- 雑木の庭づくりでやること3つ
- ステップ1:植える位置を決める
- ステップ2:日照と水はけを観察する
- ステップ3:雑木・下草を選ぶ
3つの順番が大切な理由
庭に木を植えようとなると「どんな木がいいかな」と樹種を選ぶこと(ステップ3)からはじめたくなりますよね。ですが、樹種選びからはじめると失敗するかもしれません。
最初にやるべきは植える位置を決める(ステップ1)。次に日照と水はけを観察する(ステップ2)。最後に樹種を選ぶ。この順番が大切です。
なぜならば、植える位置の日照や水はけが最も大切だから。
例えば、雑木の王様「コナラ」を植えるとします。コナラを植える適地は日照の良い場所なんですよね。それなのに、コナラを植えたい気持ちが先走り日陰(日照不足)な位置に植えると生長に影響がでます。
日なたを好む樹種を日陰に植えた場合、生長が遅くなるということはあっても枯れることはないかもしれません。反面、日陰を好む樹種を日なたに植えると枯れてしまうかもしれません。
だから、この順番がとても大切なんです。
雑木には植付適期があります。コナラに話を戻すと植付適期は11月から3月です。それじゃ「適期がわかったから植えよう」というのは間違いで、仮に3月に植えたいなら植える位置が樹種に適しているかを知るため,じっくり日照や水はけを観察することが大切。
どれだけ観察すればいいかは難しいところです。慎重を期すなら春夏秋冬の全てと言いたいところですが、最低でも1~2カ月程度観察できればよいでしょう。1~2カ月の間,毎日連続して観察するというものではありません。多くの場合,観察できるのは休日に限られるでしょう。すると,1カ月に観察できるのはザックリと土日の8日間。晴れの日もあれば曇りの日もある。最低でもそれぐらいの観察結果から春夏秋冬の日照は想像できます。
雑木の庭づくりでやることは『3つだけ』です
- 早く失敗しないように庭づくりを進めよう
- 基礎知識を身につける
- おすすめの本「これからの雑木の庭」
- おすすめの本「手入れがわかる雑木図鑑」
- おすすめの本「心と体を癒す雑木の庭」
- 雑木の庭づくりでやることは『3つだけ』
- ステップ1:植える位置を決める
- ステップ2:日照と水はけを観察する
- 日照の観察方法
- 植えたい位置に木が適せなかったら
- ステップ3:雑木・下草を選ぶ
- 実際にやるには
- 参考:そもそも雑木の庭ってナニ?
- 本日のらずもねフィーリング
早く失敗しないように庭づくりを進めよう
庭をつくりたい。とにかく早く。早く完成させたい。
今まさに庭をつくりたいというその気持ち。よくわかります。庭をつくりはじめた当時、わたしも感じていた庭を早くつくりたい気持ちをより正しく言えば「早く失敗しないように庭をつくりたい」だったと思います。
居心地のよい、かつ見栄えのする、素敵な庭を、早く、つくる。でも、せっかく選んだ雑木を枯らしてしまうような失敗をしたらもともこもありません。
急ぐ気持ちを抑えて、3つのポイントをおさえましょう。ポイントをおさえれば、木々が健康に育つ庭づくりができます。
基礎知識を身につける
雑木の庭に採用する木々の樹高は2m超え,3m超え。花壇を彩る花(ポット苗)のサイズよりはるかに大きい植物を扱います。庭づくりを構想する初期段階では、この記事で紹介する3のポイントが大切ですが、これ以外にも剪定などの雑木の管理も知っておきたいところです。そのために基礎知識を身につけましょう。
基礎知識は難しくはありません。「樹種・下草を選ぶ」ことを例にすれば,
- 樹種・下草を選ぶには
- 日照(日当たりが良い,半日陰,日陰などの条件)を考える
- 水はけ(雨がふっても水が抜けない,はけやすいなど)を考える
- 好みの樹種が適応するか判断する
というように、複雑そうに思えることも手順を一つずつ分解できますよね。雑木の庭づくりの初期段階では、希望のレイアウト、費用、工事などなど、考えることが多く滅入ってしまいそうですが、基礎知識を身につければ大丈夫。以下に雑木の庭の基礎知識を学ぶ人向けのオススメの本を2冊(詳しく知りたい人向けにもう1冊)紹介します。
おすすめの本「これからの雑木の庭」
庭づくりやガーデニングに関する多くの本の中から,らずもねが最もおすすめするのは「これからの雑木の庭」です。雑木の庭を造りたいならコレを読め(厳選の1冊)で紹介していますので是非ご覧下さい。
雑木の庭を造りたいならコレを読め(厳選の1冊)
「これからの雑木の庭」を手に取れば基礎知識とともに雑木の庭の良さと樹種・下草の選び方がわかります。
2014年以降、Amazonでは「これからの雑木の庭」が売り切れが続いていましたが、2021年6月に「新版これからの雑木の庭」が発売されました。以前は「買うなら中古品」という状況でしたが、今なら新品を買うことができますね。売り切れ前に是非検討下さい。
おすすめの本「手入れがわかる雑木図鑑」
雑木の剪定を学ぶなら手入れがわかる雑木図鑑」がイイです。以下の記事でも紹介していますのでご覧下さい。
夏に伸びた枝を秋・冬に剪定するならコレくらいは知っておきたい
おすすめの本「心と体を癒す雑木の庭」
雑木の庭づくりを考え始めるなら、まずこの2冊があればいいと思います。
さらに深く知りたいという方は「これからの雑木の庭」の続編「心と体を癒す雑木の庭」がおすすめです。以下の記事でも紹介していますのでご覧下さい。
40代のあなた,フィトンチッドはご存知?
雑木の庭づくりでやることは『3つだけ』
基礎知識を学ぶ。そして実践する。この流れが大切です。
繰り返しになりますが、雑木の庭づくりで,初期段階にやるべきことは次の3つです。
- ステップ1:植える位置を決める
- ステップ2:日照と水はけを観察する
- ステップ3:雑木・下草を選ぶ
ステップ1:植える位置を決める
庭づくりを思い浮かべると「雑木(樹種)を選ぶ」ことに考えがいきますが,それは違います。「雑木(樹種)を選ぶ」のは後段のステップです。
第一に植える位置を決めます。
といっても難しいことはありません。「このへんに木を植えたいなぁ」というソレです。ソレが植える位置を決めます。「なんとなくこのへん」だけでもいい。とにかく植える位置を決めましょう。
木を枯らす原因の多くが、植える位置を決めた後、本来やるべき最も大切な次のステップを十分に考えずに樹種を選んでしまうことにあると思います。そうならないためにも、植える位置を決めたら次のステップをしっかり行いましょう。
ステップ2:日照と水はけを観察する
植える位置を決めたら、次は日照と水はけを観察します。
特に日照(日当たりの良さ,半日陰,日陰,西日のあたり具合)を観察しましょう。
西日が強烈にあたる位置に乾燥に弱い樹種を植えると最悪,枯れてしまいます。くれぐれも間違えないで下さい。「雑木を選ぶ」より先に「植える位置を決める」です。
日照の観察方法
実際に日照を観察すると難しさがあります。庭の中(東西南北)にで日当たりのいい場所と悪い場所がある。相対的に日照がいい・悪いというのはすぐわかります。
ただ,「この位置は日当たりがいいからコナラの適正に合うと思うけど、アオダモにはどうか」といったように、この雑木にはどの程度の日照がいいのかという判断には難しさがあります。
実際、健康に育っていた株立ちのアオダモが2年前から元気がありません(南側に向かって伸びる幹・枝葉に元気がない。南以外に向かって伸びる枝葉は元気)。ムシにやられたのかもしれませんが原因はわかりません。どちらかというと、この数年の猛暑と西日にやられたんのではないかと考えています。
こうした経験を踏まえた日照のチェックポイントは次のとおりです。
- 午前
- 株元(植える位置、地表)に直射日光があたるか、あたらないか
- 日陰の時間はどれぐらいか
- 午後
- 株元(植える位置、地表)に直射日光があたるか、あたらないか
- 日陰の時間はどれぐらいか
- 株元(植える位置、地表)に西日があたるか、あたらないか
- 株元上空に西日をさえぎるものがあるか、ないか
特に西日に注意しましょう。夏は昼間に気温が上昇した後、追い打ちをかけるよう西日が差し込む。そういう位置はダメージを受けやすいようです。
雑木が健康に育つ庭。健康だからこそみなぎる木々の生命力。わたし達はそこに癒しを感じるんだと思います。ですから注力すべきは「理想の庭を早く完成させる」というより「いかに健康な庭をつくるか」ではないでしょうか。
雑木を健やかに育てる。雑木の生命力をいただきながら私たちも元気に生活する。その実現には,日照と水はけを観察して適する雑木・下草を選ぶことが大切です。
植えたい位置に木が適さなかったら
日照と水はけを観察した結果,あなたが植えたい木が土地に適さない場合、潔くあきらめましょう。
庭の主が木々の適正を無視して、「この木をこの位置に植えたい」と強行することもできますが,木々の健康は主の希望・願望ではなく木々の適性が決めます。人間の勝手ではうまくいきません。
ステップ3:雑木・下草を選ぶ
次はいよいよお楽しみの「雑木・下草を選ぶ」です。
忘れてならないのはステップ1・2で観察した日照と水はけに適した樹種を選ぶことです。「植えたい位置の日照・水はけ」がわかったというのに,適さない樹種を強引に植えるのはおススメしません。枯れます。何事も強引なのはよくありません。
雑木選びとともに下草も選びましょう。ここでも忘れてならないのは植える位置の日照と水はけ。「この場所で主を楽しませなさい」と言わんばかりに,人間のエゴで適さない位置に下草を植えるのは間違いです。
以下の記事では、雑木の庭に使える樹種(落葉樹・常緑樹)と下草を紹介していますのでご覧下さい。
雑木の庭に使える落葉樹12種
雑木の庭に使える常緑樹9種
雑木の庭に使える下草12種
参考:そもそも雑木の庭ってナニ?
ちなみに「そもそも雑木の庭ってナニ?」という方は以下をご覧下さい。
そもそも「雑木の庭」とは
本日のらずもねフィーリング
- 雑木の状態を健康に保つためにも,植える位置を決め時間をかけて日照と水はけを観察しましょう。あせりは禁物です。
- 植える位置の日照と水はけを把握したら、次はお楽しみの雑木・下草選びです。次の記事では雑木の庭に使える樹種(落葉樹・常緑樹)と下草をまとめました。
- さまざま組み合わせから理想を実現するのは楽しいものです。存分にお楽しみ下さい。