- こんなあなたに
- 庭にシンボルツリーを植えようとしている人
- 木々が元気に育つ方法を知りたい人
- 雑木の庭をDIYしたい人
- 困りごと
- シンボルツリーを1本だけ植え大丈夫?
- シンボルツリー1本では見栄えもショボイんだけど?
- 雑木を健康に育てるにはどうすればいいの?
こんな困りごとにこたえます。
もくじ
- この記事でお伝えすること
- 健康な雑木の庭を作る秘訣を知るには
- 秋のアカシデで実感した落葉高木と常緑低木の役割
- 「高木」「中高木」「中木」「中低木」とは
- 成木の樹高による分類です
- 「高木」「中高木」「中木」「中低木」それぞれの役割
- らずもね家の高木・中高木
- コナラ(落葉高木)
- アカシデ(落葉高木)
- らずもね家の中木・中低木
- ミツバツツジ(落葉低木)
- クロモジ(落葉低木)
- 健康な雑木の庭を作る秘訣まとめ
- 本日のらずもねフィーリング
この記事でお伝えすること
健康な雑木の庭を作る秘訣をお伝えします。
その秘訣とは「高木」「中高木」「中木」「中低木」を効果的に組み合わせること。これが大切です。
健康な雑木の庭を作る秘訣を知るには
雑木の庭を造りたいならコレを読めで繰り返し紹介している個人的名著「これからの雑木の庭-庭空間を改善して快適に」を読むのが手っ取り早いです。
雑木の庭を造りたいならコレを読め
秋のアカシデで実感した落葉高木と常緑低木の役割
らずもねの「雑木の庭DIY」着手は2014年。この年に植えたアカシデ(落葉高木)は,夏の終わりに葉がチリチリ枯れてしまいました。時期的にも,枯れ葉の状態からも,紅葉とは違う樹勢の衰えを心配したものです。
当時,更地にポツんと植えたアカシデには,幹にも株元にも容赦なく直射日光があたり,ひどく乾燥が進む過酷な状態。真夏に蓄積されたダメージが大きかったんだと思います。
その反省から,2015年,アカシデの株本に日陰をつくるようシャリンバイ(常緑低木)を植えました。

すると,2017年秋のアカシデの様子は違いました(上写真)。残暑の9月に落ちる葉は少なく,10月でもタップリ葉を抱いて紅葉をまっています。
背は低いながらも他の株元に日陰をつくる低木群。低木群を覆うように背を伸ばし適度な日陰をつくる高木群。それぞれが役割を全うし互いに支え合うことで「雑木の庭」が健康に育ちます。
「高木」「中高木」「中木」「中低木」とは
成木の樹高による分類です
雑木は一般的に成木の樹高によって「高木」「中高木」「中木」「中低木」等に分類されます。
- 高木 :8.0~5.0m程度
- 中高木:4.5~3.5m程度
- 中木 :3.5~2.0m程度
- 中低木:2.0~0.5m程度
雑木の庭を造りたいならコレを読め,146頁引用
苗木,幼木の樹高ではなく成木の樹高ですよ。
「高木」「中高木」「中木」「中低木」それぞれの役割
雑木の庭を作る。その目的,私たちが雑木の庭に憧れ,期待するのは緑の木々から元気をいただき豊かで健康な生活を送ることです。雑木の庭に宿る元気の源は「木々の元気そのもの」ですから,庭づくりには第一に木々が元気に生長できる工夫が大切です。

写真は,身近な秋保温泉「磊々峡(らいらいきょう)」の様子(平成26年10月25日)。
秋保温泉を訪れる方の散策路でもある磊々峡のように,里山に深く入らずとも私たちの身近にある森林浴。そのの気持ちよさは,雑木群が作り出しているに他なりません。
日光を乱反射させる葉の輝き。風に揺れた葉が擦れる音の心地よさ。幹肌が見せる冷涼感。
これらが幾重にも重なり,脳内には最大級のアルファ波が到来。
さて,上写真には見切れてしまう程の高木から,手を伸ばせば葉に触れられそうな中木,目の高さより下にある低木等,さまざまな樹高の木々が見えますよね。この立体的・階層的な木々の組み合わせによって雑木林は健康に育つといいます。
この自然樹林が健康に育つ条件を雑木の庭で再現する。つまり,「高木」「中高木」「中木」「中低木」が担う本来の役割にそったレイアウトが成功の秘訣です。
「高木」「中高木」「中木」「中低木」の役割
- 高木・中高木の役割
- 立体的・階層的に構成される雑木群の中で最も高く枝葉を伸ばし直射日光を遮る役割があります。
- 中木の役割
- 高木の幹に横から差し込む直射日光を遮る役割があります。
- 中低木の役割
- 地表温度の上昇を抑制する役割があります。
高木から中低木にかけて,それぞれの「日当たりの適正(直射日光への耐性)」に応じて植栽することが成功の秘訣です。
らずもね家の高木・中高木
ここからは,らずもね家で植えた「高木」「中高木」「中木」「中低木」を紹介します。

上写真は「コナラ(落葉高木)」「ヒメシャラ(落葉高木)」の樹幹部分です。
コナラ(落葉高木)

コナラの幹には生長と共に刻まれるひび割れがあります。苗木・幼木にはない生長の証「ひび割れ」が醸す雰囲気は,雑木の王様「コナラ」だけがまとうもの。雑木林を強く想起させる「コナラ(高木)」は,庭の骨格をつくるのに相応しい存在です。
ちなみに,上写真でコナラの幹の背景になっているのは「ジューンベリー(落葉中高木)」。夏の強烈な日差しをガブガブと食べるかの如く生長するジューンベリーは,見事にコナラの幹に降り注ぐ直射日光を緩和してくれます。
アカシデ(落葉高木)

コナラに次ぐらずもね家の主役が「アカシデ(落葉高木)」です。植栽した当時,主(あるじ)の手によって更地にポツンと植えられてしまい夏の容赦ない直射日光のせいで葉を大量に落としてしまいました。その後,登場した救世主「シャリンバイ(常緑低木)」がアカシデ自身の南側に植えられことによって,株元の地表温度が抑えられ,乾燥しなくなったことによって勢いを取り戻しました。
らずもね家の中木・中低木
ミツバツツジ(落葉低木)
上に書いたとおり各階層で「直射日光を遮る」点に着目すると,中木・中低木は地面近くに広げる枝はによって地表温度の上昇を抑える役割があります。こうして,見た目の美しさとともに「涼しい庭」になるのが嬉しいんですよね。
さらにもう一つ。中木・中低木は,樹高が私たちの目線か眼下に位置するため「花や実の美しさ」を鑑賞するには打って付けの存在です。

淡いピンク。淡い紫。
2019年4月23日。ミツバツツジ(落葉低木)が美しい花を咲かせると,庭の彩は一気にグラマラスになります。木々の緑を背景に一輪一輪が浮き出すように映える紫の花。花後は,夏に備えて葉を広げ地表温度の上昇を抑える役割に徹する大車輪の活躍。
クロモジ(落葉低木)

ミツバツツジと同じように,目の高さにあるクロモジの葉の美しさもたまらない。
春雨の後,太陽に照らされる水滴の瑞々しさ。夏にかけて深みを増す前の黄緑色の葉。その柔らかさに宿る癒しのパワー。
その背の高さから,私たちの視野に入りやすい中木・低中木には,見る者を楽しませ・癒してくれるのも魅力だと思います。
健康な雑木の庭を作る秘訣まとめ

健康な雑木の庭を作る。その秘訣は,ズバリ高木から中低木にかけてそれぞれの「日当たりの適正(直射日光への耐性)」に応じて植栽することです。
「直射日光への耐性」を知り,木々同士が互いに支え合える立体的・階層的に植栽することで健康な庭が育ちます。
立体的・階層的な植栽とは対照的に「やっちゃいそう」なのが,「シンボルツリーをポツンと植える」植栽ではないでしょうか。らずもね家のアカシデが激しく葉を落とした経験からも,木1本をポツンと植えるのはよくありませんね。
本日のらずもねフィーリング
- いかがでしたか?
- 「高木」「中高木」「中木」「中低木」それぞれの「直射日光への耐性」を知り,木々同士が互いに支え合える立体的・階層的な植栽が健康な庭を育てる秘訣です。
- 枯らしてしまう可能性が高い「シンボルツリーをポツント植える」植栽は,避けるべきでしょうね。